マリオランの有料課金　ニンテンドーが挑む1回きりの課金

注：本文中の料金はいずれも税別です。

「射幸心をあおる」ということばが数年前にはやったことをご存じでしょうか？

「射幸心（しゃこうしん）」とはなんぞやと思ったものです。

パズドラの登場で一気に火がついたのが「ゲーム内課金」という課金方法です。

ゲームの中でアイテムを購入すると、ゲームを有利に進められるため、多くの若者がゲームのアイテム購入に大金をつぎ込んでしまったのです。

このときに登場したのが「射幸心をあおる」という言葉です。

つまり、ゲームの課金で言えば、「アイテムを欲しいと思わせて買わせる」ということなのです。

ゲームの仕組みを「アイテムがないと損をする」と思わせるように作っておけば、ゲーマーはアイテム欲しさにお金を使うという仕組みです。

これは実に作り手主導でどうにでもなります。実際、アイテム欲しさに月に10万円以上も課金された若者が急増したのです。

私は息子たちには再三こんなものにだまされるなと言いました。幸い息子たちは、ここにお金をつぎ込むことはなかったのです。

それ以後、アプリ内課金はアプリの課金方式として定着し、特にゲームはその傾向が強いです。

買うときは「無料」、遊んでいるうちにお金がかかる、という風なものです。

そういう現実に異議を唱えたのが、ニンテンドーの「マリオラン」なのです。

マリオランはニンテンドーがはじめてスマホゲームに投入したゲームです。

そのため、期待度も高かったのです。

その際、ニンテンドーは「何度も課金させるやり方」に疑問を感じ、1回きりの課金方式を採用したのです。

どんどん課金させる従来の課金モデルへの挑戦でした。

このニンテンドーの考え方が波及するかどうかはまだわかりません。今後追従するゲーム会社が現れるかどうかです。

パズドラは、大人気になって以降、スマホを買ったら必ずインストールして遊ぶアプリの代表格となりました。

これにより、パズドラ人気が長らく続きましたし、開発したガンホーはゲーム内課金で莫大な利益を得たのです。

それに対し、ニンテンドーのマリオランは、マリオというニンテンドーの不滅のキャラクターを使ってのスマホゲームへの参入ですし、成功すれば1回買い切りゲームが普及するかもしれません。

ぜひそうなってほしいものです。

1回買い切りとはいえ、1,200円は高いと感じる人もいるでしょう。

数100円のアイテムが主流の中、1,000円以上は高い印象を与えます。しばらく無料で遊んで楽しいと思うなら、1,200円で買ってしまうのも良いでしょう。

結局は、トータルでいくらのお金を払い、どれだけ楽しめるかということです。

DSやPSPなどのゲームを勝手も数千円しますから、おもしろいゲームが1,200円で楽しめると思えば安いとも言えます。

同じような比較はできませんが、PS4のPSNのように、ゲームをネットにつなぐために、毎月PSNに400円〜500円のお金が必要なのは、これまた本当にひどい話です。

こういう課金モデルはPS4を作ったソニーだかからできることですが、強者だからこそもっとユーザーに優しくしてほしいと感じています。